全感覚祭へ向けて

Where is my pixie ?

Where is my pixie ?

Where is my pixie ?

リーダーの素質ってなんだろう?最近よく考えるよ。


全感覚祭、何人くらい集まるのか想像つかないけれど、少なくともオレみたいな奴の生活とって、一年の中で一番大きな金額が動く日だってことは確かだ。いや、関わっている人の数も、そして何よりエネルギーの量がそうだ。
それを受け止めるキャパシティー。入れ物の体積。

 今一度、問う。リーダーの素質とは何か。その答えはわからないがきっとオレにそれはない。そのことだけはなんとなーくわかる。
あ、これ相当インナーに込み入った話だから、ピーポー初心者はここらで引き返してもいいですよ−。
バカみたいな顔で明日、全感覚祭をたのしむ それで花マルでーす。

 

「全感覚祭やりなよ。GEZANが出れようが出れまいが開催されることに価値があるよ。GEZANが例えいなくて、もしも盛り上がりきらなくても逆にそれはそのままGEZANの評価だよ」
kilikilivillaのヨダさんが新代田FEVERで言ったのは9/19日。
確かにそうだと思った。汚い考え方だと思うかもしれないけど、ドラムのシャークが抜けてバンドが活動休止状態の中、オレが未来に対してきれるカードは少なかった。闇雲だが、灯台のように足元を照らせる何かをくくりつけた鉤縄を暗闇に投げるような心境。何かが起きうる場所をつくっておきたかった。いいイメージはその時点ではほとんどできなかったけど、それは未来に対するギリギリの地点からの投資だった。

 人は忘れていく。オレもオレを忘れていく。

それが怖くて、この数ヶ月間、いつも以上にライブハウスに通った。フロアのライトに空気の粒がこげる匂いを鼻腔にすりつけて記憶しようとした。
ステージで眩しく鳴らす、好きだったバンドがうとましく思える。同時にここに帰ってこいと言われてる気がした。

オレはヨダさんと話してる最中に机の下でアイフォンをひらいてtwitterの画面を開いて「今決めました。今年も全感覚祭やります」そうツイートしていた。まるで授業中に好きな子にメールでも送るようにこっそりと。

それが正しかったのかわからない。ただ、もう後には引けないって状態をつくりたかった。

相談は誰にもしなかった。オレ一人じゃ電車で多摩三角公園につくことすらできないかもしれない、そんなカスのくせに。

 

「でも、みんなは有無を言わずに賛同してくれた」

 

なんて書ければ綺麗だっただろう。
結果はその逆。
率直に開催に向けた想いを話したが、バイブス系のイーグルやキャプテンですら反対し、初期から祭を一緒につくってたナンシーはこんな状態では参加しないとオレに告げて、皆は黙った。
カルロスはその集まりにすら来なかった。いや、正式には呼べるような状態にはなかった。

シャークが抜けたGEZANはボロボロだった。メンバーで会うたびに朝まで喧嘩したし、この膿んだ気持ちを何ぶつけていいのか、ライブがある生活の中でギリギリで張られていた均衡は糸が切れたように、ぷつり。
フェスを企画するよりもっと先に修正しなければならないことが山積みの、そんな険悪なムードの真っ最中での話だから皆がネガティブになったのだって無理もなかった。

 

それでもオレは未来にかけたかった。活動休止中の今、後ろにひいたら帰ってこれないかもしれないと思った。

 

暗闇は怖い。思い出す。島根の夜は街灯もなく、どこか山がきしむみたいな音が耳ではないところから聞こえてきて、呼ばれてもないのに振り返ったら、そこに狐がいたり、星の残骸ももののけもサヨーナラも全部一色たんになって黒色をつくっていた。オレは怖くなって夜の表皮の上をそっと歩いた。あいつに気づかれないように。

朝、目をさますとあの暗闇の味が口の中にあった。久しぶりのことだったよ。

 

「オレは一人でもやるし、ドムスタでやってでも開催する」と言った。
結局、ナンシーは不参加。イーグルはまだ先が見えない間は力を貸せない。そんなスタートになった。
唯一、まだ大変さを知らないGUAYSの新メンバーゆうしはノリノリ。コーヒーおかわり自由のファミレスで何杯もアイスコーヒーを注文し、たくさんお会計を払わされていた。バカだ。

そう、この開催は理想に満ちていた前回やその前なんかと違い完全にオレのわがままからはじまったんだ。だから、アーティストや出店の公募は手が回らなかったこの一年、全感覚祭で何かを発揮しようとイメージしていた人たちがいたら、すまない。

 リーダーの素質とはなんだろう。

オレは学校なんていってた時からそういうのとは無縁だった。給食当番も掃除もしなかったからクラスでは疎まれていたのは薄々感じていたが、かといっていじめられるわけでもなく、表面上は優しくされたりして、ただただ保健室で授業をさぼったり、屋上の鍵を壊してそこで一晩中一人でぼーっとしてたり、図書館の前に積まれてた本を段ボールごと隣町の本屋に売りに行って捕まったり、あとはまあ、書いたらキリはないけど、とにかく人を束ねるってキャラじゃなかったんだな。

転校が多かったから、最終日に色紙とかもらうんだけど、そこに「マヒトくんはクラス中のみんなから嫌われていました」とか「次の学校では思いやりをもってください」とか書かれちゃって、普通かかれないよね。

ひどく考え込んだよ。

「思いやり」

今でもよくわからない。そんな間はリーダーの素質はないのだろうか。何年たっても人間は難しいし。やさしさの正体もよくわからない。

最近、オレの大好きだったバンドの先輩が逝ってしまった。オレとイーグルにハードコアってものを教えてくれたバンドだ。オレたちにとってハードコアはGAUZEでもBLACK FLAGでもない。HISATAKAだった。
岡さんは特別やさしい顔で笑う人だった。この星は自分をごまかしていけない人に厳しくできているみたいだ。
流星をまた一人おいかけて優しさは夜になった。

 

ともあれ、オレはなんとかここに立ってるし、まだ空の色を言い当てられるだけの感性ってやつを保ってる。目を閉じれば行間を風が吹きぬけていくを感じる。

 

12/11、全感覚祭、時代がかわるとか、そんな大きなことは期待していない。本当はTOKYO UNDERGROUNDなんてどこにもないんだ。
オレの中で凝り固まった何か
一緒につくってる仲間の壊したかった何か
遊びにきた人の諦めてしまった何か
今それをうまく言葉にすることはできないけど、個人のつらなりしかない。
さみしくても、どうか孤独を恐れないでほしい。
想像力一つで空にだっていけるそんなことが証明される日になればいいなと思ってる。

Absolutely imagination

 

結果的なことをいえばイーグルとか準備、超動いてるし。やっぱあいつは存在がバイブスだ。カルロスも照明を担当したりなんだかんだ、いつもの俺たちがかえってきた。当たり前だった日々ってやつだ。ある人はそれをblue hourと呼んだ。

こんなことを書いて、何に期待してるのだろうか。

努力なんての書き連ねることは無意味だ。そんなことアピールしたいんじゃない。そういううねりの上にDEATHROのジャンプはあるし、テニスコーツのハミングもKKmangaのゲロもハバナイのモッシュピットもあって、そんな努力の匂いなんて微塵も感じさせないくらい笑ったりしてくれたらオレはいいなと思う。

そしてジャッジしてくれ。続く価値のないそんなイベントだと思ったらそれは消えていくだけだ。うけいれるよ。それは祭もバンドもそうだろ?お前の全ての感覚でジャッジしてくれ。
何が待ってるのか?
ぴーのぽうはたのしみ。
月並みだけど、開会の辞だ。
全感覚祭、よろマザファッキンしく 

 

マヒトゥ・ザ・ピーポー

 

マヒトゥ・ザ・ピーポー

2009年 バンドGEZANを大阪にて結成。作詞作曲をおこないボーカルとして音楽活動開始。
2011年沈黙の次に美しい日々をリリース。全国流通前にして「ele-king」誌などをはじめ各所で
ソロアーティストとしてインタビューが掲載されるなど注目が集まる。
2014年、kitiより2ndアルバムPOPCOCOON発売。
2014年には青葉市子とのユニットNUUAMMを結成し、アルバムを発売する。
2015年にはpeepowという別名義でラップアルバム Delete CIPYをK-BOMBらと共に制作、
BLACK SMOKER recordsにてリリース。
また音楽以外の分野では国内外のアーティストを自身のレーベル、十三月の甲虫でリリースしたり、
野外フェスである全感覚祭やZINE展を主催したりとボーダーをまたぎ自由なスタンスで活動している。

GEZAN 公式サイト

twitter

 

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