戦う君のうたを、戦わない奴は笑えないだろう

WHERE IS MY PIXIE  ?

WHERE IS MY PIXIE  ?

WHERE IS MY PIXIE  ?
ドラムで27時間叩きっぱなし?それでなんやねん?そう言われてしまえば簡単に終わってしまう話。

そもそも興味のない人からしたら瞬殺で終わってしまうような、そういうことしか普段からやってないよな。別に世界の平和だの、日本の未来だの一ミクロも関係していないライフワーク。

だからって何の意味もないかと言われたら大ありなんですよ。こっちにはさ。

俺たちは大真面目にこんな方法でアメリカにいこうと、レコーディングしようと思ってる。ほしいものや、行きたい場所があるんだ。

生きることの価値だってとうに一定じゃない。簡単にビルから身を放り投げ出せる奴もいれば、ゼロの桁いくつも積んだ大金で延命につぎ込む奴もいる。名誉で鼻を噛んで道に捨てれる奴もいれば、その一抹の歓声のために全てを賭けて振り抜く奴もいる。別に何が偉くて、何が正しくてなんてもういちいち誰かに決められる時代はとうに終わってる。命ですらそうなのだから、金の価値だってそう。何にお金を使うか、何に感覚を開くか、それ以外にセンスという言葉が存在できる場所はない。

俺は随分前からセンスで生きている。音楽で食べれるようになるよりも前から。得意でない労働では同じ年頃の平均男子の何分の一かの能力しか発揮できないことに早々に気づいていた。早い話、役立たずの烙印を押され続け、バイトってやつは首になりまくった。でも、それはただの結果だから一つもへこまなかった。自分の頭と体を使って価値を探した。価値のない能力なんて今の時代にはないんだと思う。光の当て方、今目の前にある日常というやつはシンプルにその結果だと思う。

話が脱線しまくった。俺の話はこの際、どうでもいいんだ。今は朝の5時前。低気圧のせいでイライラして眠れない俺はあしたのことを考えている。

ロスカルのドラム27時間。正直言って、不安もある。

サッカーのジュニアユースで日本代表の岡崎なんかとプレイしてた鉄人シャークの26時間ドラムですら、あいつは肩を壊した。みるみる筋肉を落としていく体、俺も今背骨を痛めてるし、肋骨も完治していないし、体っていうのとっても怖いってこと、今は身をもって知っているところ。

第一、当時実質ギネス記録だった26時間は何者かのルールの隙間を縫った大記録によって更新されている。このドラムマラソンはギネスルールだと1時間に10分休憩をしていいっていう公式ルールがあるそうなんだ。そのルールをフルに使った記録で、もはや打破不可能な記録をどっかの誰かが打ち立てている。ロスカルはこの10分休憩早々に放棄したため、実質、ギネスに足をかけることは不可能だろう。つまり名誉なんてはじめから、ヤツは見ていない。あいつは自分のプライドだけでトレーニングを積んでた。

誰に強制されたわけでもない、何の賞も冠もない戦いを始めようとしているんだ。しっかりとリスクだけを背負いこんで。はっきりと言って、俺はバカなんだと思う。

でも、止めることはできなかった。当然笑うことも。

そのレイヤーはロスカルが引いた線なんだ。価値の基準なんだ。

ヤツはドラムを叩きに東京に来た。初めての新体制のアルバムを前に少しでもドラムを叩きたい時期なのに変な方法で時間や労力を使ってお金を得ても意味がない。あいつは俺にそう言った。勝手に27時間叩いて金稼ごうとしてんのも大概変なやり方だとは思うけど、その辺はもうGEZANって感じだ。

とにかく、どんな結果であれ、怪我しないでほしいなって、本気で思う。タオルを投げる勇気も携えて、チームGEZANも全員会場で見守ることにしてる。

いつだって想像力の側を信じてる。こんな狂った世界でシラフになったらロックバンドなんておしまいだしね。ここから抜け出すには夢をみるしかない。

奇跡みたいなことはそんなに起きないようになってる。このドラムの挑戦だって、奇跡なんかとは程遠い。あいつの集中力が、想像力が未来を切り開くんだ。俺はただそのバカなやつのビートを信じるだけなんだ。

3/1 19:00 START(T)

【27時間ドラム基金】

3/1,19:00よりBUCKLE KOBO(東京都大田区京浜島2-11-7)にて開催。 チャレンジの様子はYouTubeチャンネル「十三月の甲虫」より生配信 十三月の甲虫 https://www.youtube.com/user/GEZAN13t...

ネットショップからの投げ銭はこちら https://jsgm-online.stores.jp/items/5...

銀行口座への投げ銭は 三菱東京UFJ銀行 浜田山出張所 (普)0291991 イシハラユウタ

GEZAN :ROSCAL ,MAHITO,EAGLE,CALROS

Diary of :RYOSUKE KANDANI

Photo: SHIORI IKENO


マヒトゥ・ザ・ピーポー

2009年 バンドGEZANを大阪にて結成。作詞作曲をおこないボーカルとして音楽活動開始。
2011年沈黙の次に美しい日々をリリース。全国流通前にして「ele-king」誌などをはじめ各所で
ソロアーティストとしてインタビューが掲載されるなど注目が集まる。
2014年、kitiより2ndアルバムPOPCOCOON発売。
2014年には青葉市子とのユニットNUUAMMを結成し、アルバムを発売する。
2015年にはpeepowという別名義でラップアルバム Delete CIPYをK-BOMBらと共に制作、
BLACK SMOKER recordsにてリリース。
また音楽以外の分野では国内外のアーティストを自身のレーベル、十三月の甲虫でリリースしたり、
野外フェスである全感覚祭やZINE展を主催したりとボーダーをまたぎ自由なスタンスで活動している。

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