
東京進出
———— 東京出て来るって、バンドにとっては大きな転機だよね。
ユッキー:最初本当に嫌で。大阪好きやし、
キャプテン:ユッキーと俺だけは、
ユッキー:うちはずっと、
ヒロシ:モモちゃんが一番行きたがってたもんな(笑)。
———— それは意外すぎる。
ヒロシ:やっぱGEZANが大きくて。
———— 半分以上適当だね、それ(笑)。
ヒロシ:俺らもバカ正直だから、「そうかもしれんな…」
ユッキー:あの頃めっちゃ話し合ってたよな。
キャプテン:GEZANが大阪からいなくなったからこそ、
———— でも、東京行きを決意するキャプテン的な決め手は?
キャプテン:ベースのモモちゃんが言ったっていうのもあったし、
ヒロシ:それは大きいかもな~。
キャプテン:どっぷり大阪の郷土愛っていう感じではなくて。
ユッキー:大阪時代も一回地元を出てきてたからかな。
ヒロシ:しかも面白いのは、
ユウシ:そう。俺は前組んでたバンドが解散して、
キャプテン:ほんとにおんなじ時期やったもんね。
ユウシ:東京でバンドできたらってのは、ぼんやり思ってて。
———— シンクロしてたのかもね。やっぱなんかあるんね、
ヒロシ:最初は4人でワンルームに住んでたんよね。
キャプテン:あれはほんまに最悪やった。
ヒロシ:すんません…。混沌としてたな…あの時は。
ユッキー:モモちゃんはすぐ家見つけたんやけど、
ヒロシ:ツアーばっかりだったから、
キャプテン:そうやな。
———— 東京来てからはどこらへんでライブやってたの?
キャプテン:その時からBASEMENT BAR、あとはUFO CLUB。大阪にいたときは、KK manga、B玉、viva kappaとか、今でいうセミファイナル・
———— 東京に来た当初は、
キャプテン:Car10と出会ったのはデカかったな。それこそ、
ヒロシ:
ユッキー:かもしれんな。
———— 今までの路線から音がどんどん削ぎ落ちてメロディがついて
キャプテン:うん。
———— 良い意味で東京に染まってきたっていうか。
ヒロシ:俺的にはキャプテン、俺、ユッキーの3人で、FAT WRECK CHORDS 25thのフェス(2015年に開催)に行ったやん。あそこで、
キャプテン:そっからメロコア熱みたいなのがね。
———— LAGWAGONのカバーしてたしね。
ヒロシ:せやった!やっぱでも、メロコアって好きって言いにくい部分あったかもな。
キャプテン:ほんまそこかもな。この3人のルーツは同じだし。
———— そのタイミングで周りにもメロディックが好きなバンドも増
キャプテン:
ヒロシ:うん、それはめちゃくちゃデカいかもな。

———— そこでバンドの空気間も変わっていった。
ヒロシ:ハードパンク路線から、
———— 今までとは違うなって自分らでも思えるようになった曲って
キャプテン:おれの中では「Get Up Kids」やな。
ヒロシ:うん、俺もそうだね。
キャプテン:ポップでシンガロングな曲をつくりたくて。
———— 叩きつけるような曲よりも、
キャプテン:人としても合ってるんよな。
———— 「Get Up Kids」は十三月の甲虫から7インチが出てるよね。
ヒロシ:
キャプテン:うん、やっぱあれはかなり転機かもしれないな。
モモちゃん脱退。そしてユウシ登場!
———— その後にMEAN JEANSが来んだよね。GEZAN・THE GUAYS、MEAN JEANSでツアーを回る「胸じんツアー」があって。
キャプテン:せやなー。グアイズはとくに、
———— ツアーの直前にモモちゃんが抜けることが決まったんだよね
ユッキー:そうそう。
———— ええ!?
ヒロシ:一番最初に知ったのはユッキーだったしな。
ユッキー:私が一番言いやすかったみたい。
ヒロシ:そのあとに俺が言われるんだけど、
キャプテン:ユッキーは結構早く知ってたんよな。
ユッキー:うん、6月くらいに聞いてて。
———— ユッキーさん言わなかったんすね。
ユッキー:そんなん言えんよ、どうしよと思って! キャプテンが知ったら殴るわと思ったし(笑)。
ヒロシ:おれはマヒトくんと銭湯行って、
———— そのとき、ヒロシがうつむいて、
ヒロシ:あれはツアーの2週間くらい前やからな。
キャプテン:おれはマヒトの口から知ったからな…。
ヒロシ:言うてもうてる(笑)。
キャプテン:俺もマヒトと銭湯行って一緒に帰ってる時、「
皆:爆笑
キャプテン:そんで「いや何よ?」って聞いたら「
ヒロシ:ユッキーがあんな言わんかったのに、一瞬やん(笑)。
キャプテン:その次の日にモモちゃんから連絡が来て。
ユッキー:それで、みんなでキャプテン家で話したんよな。
キャプテン:俺はあんまそういう空気を感じてなかったし、
ヒロシ:おれも気づいてなかったしね。
———— で、この「胸じんツアー」が、
ヒロシ:もう分からんくて。最後っていう実感も全然なかった。
キャプテン:あの時、
一緒にライブしてたけど、そんな感じは全くしなくて。
ヒロシ:
キャプテン:な。だからこのツアーでモモちゃんの気持ちが、「
ユッキー:みんな結構期待してたな。
キャプテン:

———— MEAN JEANSには、ツアー最終日(GEZAN、THE GUAYS、MEAN JEANSの3バンドで3マン)の前に日に言ったんだよね。
ヒロシ:ツアーが終わって、
キャプテン:そやったな。
———— それでもバンドは休止もしないで、3人で続けてたもんね。
ヒロシ:
———— 見てる側も嫌なんだろうなって思って見てた(笑)。
ヒロシ:でも練習は変わらずめっちゃしてたもんな。
キャプテン:練習はめっちゃした。でもライブになったら「
ユッキー:だからその年の全感覚祭も3人やったもんな。
ヒロシ:全感覚祭の時に、
キャプテン:3人で超えれるなら出る、
ユッキー:その頃からベース募集はしてたよね?
ヒロシ:そうだったっけ?
キャプテン:モモちゃんが抜けてから、
———— まだ悩んでたんだ。
き:ただベースは弾きたくなかった…(笑)。
ヒロシ:
ユッキー:うちは新しい子と仲良くするの、
皆:笑
ユッキー:ちゃんと仲良くなれる子やったらいいけどさ。
ヒロシ:おれはもう3人でいんじゃないかなって結構思ってた。
———— だだもれやな(笑)。
ユッキー:でもキャプテンは止まったらアカン、前に進まな!
———— そのペースはやっぱりすごいなー。でも、
ヒロシ:たしか、喫茶フジヤマ(十三月の甲虫のust配信時の名前)のustで募集かけた
ユッキー:
キャプテン:おれ、その時のフライヤーの原本まだ持ってるもん。
———— ベース募集してからは、結構スタジオ入ってたもんね。
キャプテン:10人以上は来たんよな。
———— その時期は会うたびに、
キャプテン:そう。結構応募きたんやけど、
ユッキー:まずはしゃべってたな。
ヒロシ:それでフィーリングが合いそうならスタジオ入ってた。
ユッキー:音楽性は後回しで、まずは人として。
ヒロシ:友達になれるかっていうのが大事やったな。
キャプテン:それで、ユウシは一番最後やったんな。
ユウシ:俺が来るまで半年くらいかかったって聞いたよ。
ヒロシ:うん、それくらい経ってたかもな。
ユッキー:実はユウシが来た時は他に決まりかけてたんよね。
———— ユウシくんはメンバー募集のこと、どこで知ったの?
ユウシ:俺はライブハウスでフライヤーをもらって。あれ、
ヒロシ:最初会ったの高円寺のサイゼやったな。
———— チンピラみたいなやつ来たわ~ってなったん?
キャプテン:まず、
皆:爆笑
キャプテン:なんでこんな慣れこいんやって思って、
ヒロシ:そしたらヤンキーが来て(笑)。
ユウシ:あー。
ユッキー:ぽいぽいってな(笑)。
キャプテン:でも、
ヒロシ:キャプテン、ユウシから送られて来たメールを見たとき「
キャプテン:間違ってなかったかもな。
ユウシ:バレちまうんやなー。。。
ユッキー:でも、友達になれるかも。
キャプテン:ユッキーとの相性って、一番大事やと思ったから。
———— やっぱ、フィーリングだったんだ。
ヒロシ:面白いのが、
ユウシ:そう、大阪時代にやってたバンドでな(笑)。
キャプテン:
ヒロシ:アコースティック編成で、
ユッキー:キャプテンはハープとか吹いたんやろ?
キャプテン:絶対キャンセルするのが嫌やったから。
ヒロシ:その時のバンド名は「逆境天国」だった(笑)。
皆:爆笑
キャプテン:ユッキーでれんのが1日前に決まったんやって! でも30分やりきったよな?
ヒロシ:だから入るべくして入ったんやなって思うよ。

———— 最初のスタジオは?
キャプテン:普通に、今まである曲のコピーから始めてた。
ヒロシ:「Get Up Kids」を一番最初に合わせたんよな。
ユッキー:一回に覚える曲がすごい多くて。
ユウシ:せやった。最初ユッキーに心配されたもん。大丈夫?
キャプテン:でもな、ユウシが入ってから、
———— 確かに、それは本当思う。めっちゃ曲増えたって思う!
ユッキー:BUBBLE LANGUAGE!
池野詩織 写真集「BUBBLE BLUE」発売を記念したイベント
キャプテン:なんか節目節目で十三月のイベントだよな。
ユウシ:俺らがトリだった。朝の5時くらいで(笑)。
ヒロシ:そうそう。KK mangaのハマジが最前列で「キャプテンの顔見ろー!」
———— 言ってた言ってた!
ユウシ:俺、どうしたらええねんって思ったからな(笑)。
ヒロシ:でも、あの日はなんか初ライブって感じだったよね。
ユッキー:あんまりいいライブって感じじゃなかったかもな。
———— でも次の日からツアーがあったんよね。
キャプテン:そう、3本行ったんや。福山行って…。
ユウシ:その次は京都! あれはねじ梅タッシと思い出ナンセンスとのツーマンで兄弟盃で。
キャプテン:それでめっちゃ変わったんよな。
ヒロシ:
キャプテン:1発目はスッゲー悔しくて。楽屋に戻った瞬間に、
ユウシ:めっちゃ言われて、やってもうたって思った。
ヒロシ:ユウシめっちゃへこんでたもんな。
ユッキー:キャプテン、かっこつけんな!って言ってたな。
ユウシ:
キャプテン:もうアドレナリン出まくってて!
ユウシ:こういうカッコつけはよくて、
キャプテン:でも、ツアーのタイミングも良かったな。福山MUSICFACTORYも俺らのゆかりのある場所やし、東京とは全く違う空気で、