Sparkle age – interview with 五味岳久 from LOSTAGE

 

LOSTAGE7枚目のアルバム『In Dreams』が完成した。バンドにとっては3年ぶりのアルバムだ。5月7日、そんなアルバム発売のニュースともに、五味岳久のブログに一件の記事が投稿された。

 


おそらく、これを見ているほとんどの人はこのブログを読んでいるはずだ。皆は何を思っただろうか。apple musicspotifiYouTube、無料配信、フリーダウンロードネット上ではほとんどの音楽が聞くことができるといっても過言ではないほどに、音楽とインターネットは密接さは加速している。発信する側も、受け手側も、ネットありきの時代だ。

そんな時代とは逆(?)を行く今回のアルバムリリース。アルバムを購入できるのは、奈良のTHROAT RECORDSの実店舗、オンラインショップ、そしてLOSTAGEのライブ会場のみ。話しを聞く前は大丈夫なのか‼︎と心配になったのも正直な気持ちだったが、そこにはLOSTAGEというバンドに属しながら、THROAT RECORDSというレーベルも運営する五味さんだからこそ見えている景色があった。ここに記されているのは現行の音楽に対する警鐘であり、迷いと希望を行き来するPUREな感性だった。ここには島国・日本の音楽の未来への指標があるかもしれない。PYOUTHはアルバムリリースを控えた五味さんに取材を敢行。今、何を思うのかを聞いた。

 

Interview, Edit, PhotoMahito The People,Kaito Yoshikawa

 


 

———— いつくらいからこのリリースの方法を考えてたんですか?

五味:前のアルバム『Guitar』を出したのが3年前なんだけど、その時は、いわゆる、日本にいっぱいあるインディーレーベルの基本的な流通方をなぞってリリースしたんよね。これまでのアルバムは全部そうやってきたし、THROAT RECORDSでバンドのリリースするときもそのやり方だったけど、なんかやっぱ、見えへんっていうか。

例えば、全国にあるタワー・レコードでこれだけ売れましたとか、数字では出んねんけど、だからなんなんやって。自分の店ではお客さんと好きなバンドとかの話をしながら、一枚ずつ時間かけて売ってて。それも何百枚も売れるわけではないけど。それに比べたら、タワーで初動何百枚でしたとか、Amazonで何百枚でしたとかって、自分にはあんま必要ないなって。現場でそう感じるのが気持ち良い売り方だし、自分にとってもやりがいがあるって思えてたから、じゃあそれを頑張れる仕組みを作っていったほうがいいなって前作を売りながら考えてて。で、考えた結果が今回のやり方だった。

 

———— 前回のアルバムを出した後は、五味さん的にはどんな感触だったんですか?

五味:あんまやることないし、言いたいこともないしなーって。やっぱり吉村さん(bloodthirsty butchers)のダメージというか喪失感がすごいあって。自分がかっこいいって思ってたバンドが急にポンってなくなって、俺たちこれからどうしてこ、やりたい音楽もテーマもないしって感じで。でもスタジオには入ってるからフレーズとか曲の断片は作り溜めてて。だんだんそこに停滞してるままになって、次の階段上がれへんってなったら、バンド続けてる意味もないし。もしかしたら、ブッチャーズとか吉村さんみたいな感じで俺らのことを見てくれてるやつもどっかにいる。そういう奴らにとってプラスなもの生み出せてないのかも、それくらい思ってた。ブッチャーズがいなくなったそれ以降の音楽を、自分らが作っていかんと、面白くないなって思って。そしたら内容的にもポジティブにしようって、なんとなく見えてきて、曲も固まってきたんだよね。

 

2014年に発売された6thアルバム『Guitar』収録の『Flowers/路傍の花』。

 

———— 今回のリリースではPVも作らないのとかも攻めてますよね。

五味:今って、気になってるバンドがいたり、友達に今このバンドがいいっすよって話になったとするやん。その後まず何をするかっていったら、ネットで検索して、YouTube見たり、音源聞いたり。みんなそうしてるやん絶対。そのバンドのことをそれで知って、こういう曲か、こういうライブかって。で、その曲を好きになったら、CD買おうって思って、どっかのレコード屋行くなり、ライブ行った時なり買うなり。やっぱり最初がネットの視聴がありきでさ。

例えば、このバンドいいって言われて探したけど出てこないとなると、すごい気になる状態が続いてCDも買うと思うねん。で、そのCDを聞いてみて、それが良くても良くなかったとしても、自分が興味持って買ったってのが残るやん。そういう残り方をしていくものを作りたいって思ってて。昔話をするのってアレだけど、昔はネットもなかったから、人からこれいいらしいって聞いて、良く分からんけど、何枚も出てるアルバムの中から名盤って書いてあるし買ってみるとか、悩んで選んで買ってみる。で、帰み道にポータブルCDプレーヤーとかで聞いて、うわ、全然良くない、みたいなさ(笑)。

 

———— わかります(笑)。

五味:全然良くないけど、2000円とか3000円払って買ってるし、どっかにいいとこがあるかもしれないから、何回も聞いたりする。この曲のこの間奏いいぞ?みたいな。そういう聞き方も今全くしなくなったから。1曲とか1枚のアルバムに使う自分の考えとか思いの比重が圧倒的に少ない。自分もそういう聴き方になってきてて。だからって、昔は良かったからみんなそうしろってわけではなくて、俺はまたその感じで売ってみたいなって。このやり方で買ってくれた人のプロセスを見たら、同じやん。

 

 

———— 今回は配信も一切やらないって言ってますけど、海外はYouTubeで全曲視聴とかネットでのフリーのリリースとかも多いじゃないですか。だから最初このやり方を見た時、色んな意味ですごいなって思いました。自分の音源はやっぱり大事だからこそ、勇気あるなって。

五味:海外は少し前から主流がそれって言われ始めてて。チャンス・ザ・ラッパーがCDを全く売らずにグラミー賞獲ったりっていうのがあって、今後、世の中そういうのが主流になるんじゃないかみたいな空気が海外の方からし始めてる気がしてて。でも、世の中がそうだから俺もそうしますっていうのは気持ち悪くて。なんでそうするかっていうのがないままなのは違う。

 

———— バンドの録音って時間かかるし、トラックメイカーとかラップに比べると時間とか労力のかかり方が全然違いますもんね。

五味:打ち込みの音楽とかと比べると、そもそもが違う。

 

———— 元でかかるお金も違うから、出すときにはある程度は回収しないといけない。フリーで出しますっていうリスクがそもそも、ちがいますよね。

五味:もはやこのアルバムのためだけに入った練習じゃないやん。結成から今までの積み重ねなわけで。それで、1枚作るのにいくらかかってんねんって話だからさ。お金じゃないってのはありつつ。

 

———— でもそういうのがありつつ、五味さんがかなり冒険的なリリースの形をとてるっていうのがいい意味でも悪い意味でも攻めていますよね。

五味:あのブログは言い直してるだけで、よくよく考えたら、最初に作ったデモ音源の売り方と一緒で。著作権の管理とか、流通とか、そんなの考えて作ってない。一回そういうとこに立ち返ってみるのもいいな、って。それでやりつつ、自分の中で整理したい。

 

 

———— 五味さんの場合、レーベルもお店もやってるから、また違うお金の流れも見えてたりして、普通のミュージシャンともその感覚は違いますよね。

五味:自分の店持ってなかったら、あれはやってない。届けるっていうことを考えたときに、直接ライブで売る、店で売る、ネットの通信販売で売るっていう、その一番基本的なやり方が一旦出揃ったなって。自分でもノウハウもあるし。

 

———— 五味さん的な読みだと、売れる枚数とかは変わらないイメージですか?

五味:いや絶対落ちると思う。ツアーもあるし現場で買ってくれる人が多いんじゃないかって。どっちかって言ったら、このアルバムではもう自分の中ではやることはやったって感じだし、あとは興味持った人が背中押して買ってくれるって思ってて。だから俺の仕事は終わってて、次の出し方やねん、問題は。またこのやり方で出しても話題にもならんし、面白くもないから。次どうしたらいいんやろっていうのは、考えないとやばいなって思ってる。

 

———— 流通通して5,000枚売るのと、直接2,500枚売るのとであまり変わらないっていうのは分かります。でもデモCDの話でいうと、最初はこれでいろんな人に聞いてもらって、これをきっかけに知名度的にも広がって、新しい流れを引き寄せたらいいなとかって、最初はそういう気持ちあったじゃないですか。そこに関しては今回はどういう気持ちなんですか?

五味:広げたい気持ちはもちろんあるよ。前のリリースの時も流通に乗せることで、例えば大手の販売店の店頭に並んだりして、全店舗で展開してもらうのにいくらかかりますとかってあって。そういうのもレーベルで出してた。場所割いてやってもらってるから払って当たり前と思ってるし、取材のバーターとかも払ってやってきて、それで聞いてくれる人が増えたかもしれないけど、そっちの広げ方は今まで何回もやってきたことだし。今回はそうじゃない別のベクトルで、広げるっていうか。広がったかはわからんけど、あのブログ自体もまぁまぁいいねとか拡散されて、こういうやり方でやってるんだって届いた人がいる。だから前回からの流れの中で、違うやり方っで新しく届く人が出てくるから、そこに向けてやろうっていうか。

 

———— 展開するのに手も時間もかかってるのもわかるけど、そこにお金払って、それが一体どれだけ効果あるのかってイマイチよくわからないですもんね。

五味:そうやねん!見えへんねん。

 

———— でもバンドのリリースってリスキーでもある。

五味:やっぱ怖いやん。枚数落ちるやろっていうのはわかってる。でも今まで届かなかった人には届くかもしれない。やっぱり届かないかもしれない。やってみないとわからへんし。店もあって、レーベルもあって、多分、俺が一番やりやすい立場にいるからさ。ある程度キャリアもあって、後輩もできてきて、自分らのやり方とか見てるわけやん。多分今じゃないと、このやり方でできないから。

 

———— さっきのチャンス・ザ・ラッパーの話になったけど、海外とかあんま関係ないと思うんすよね。よくアメリカの流れが日本は遅れてくるとか言いますけど。

五味:特殊な国やからな、日本て。日本がアメリカみたいになることはないと思う。当たり前だけど、歴史も文化も違うし、アメリカが、ヨーロッパが国がこうやからそれが最先端だみたいな、今の時代おかしいし。逆に今のタイミングで、フリーで音源聞いてもらってみたいなあっちの真似を急にやり出したら、逆に、無思考に見えると思ってて。時代がそんな気配するからやってるんやろなって。チャンス・ザ・ラッパーとかもたまたまやってみたらうまくいったとかじゃないの、多分(笑)。多分そこまで考えてないと思う。

 

———— 考えてない顔してるじゃないですか(笑)。 

五味:器がデカいんだろうな、時代にフィットしたんだと思う。そして運が良かった。そもそも大成功する人は、そのシナリオを最初から書いてたかどうかってわからないし、やっぱり、思い切ってやってみたっていう方に自分は魅力を感じるし、自分もそのやり方が気持ち良いなって感じするけどな。

 

 

 

————この先CDの価値が下がって行くことは避けられないだろうなと思うんです。音楽の価値もその熱量も下がらないけど、レコードとかCDとかって媒体も変化して形が変わるだけで。だからそれが信じられれば、モノとかやり方に執着がなくてもいいかなとは思ってて。

五味:それは俺も思うよ。だからCDでやれんのも今がギリギリって思うねん。

 

———— この前テニスコーツの植野さんが下北沢のユニオンで、たたき売りされてるCDの山を見て「ほんとビデオの時代が終わる時の空気とほんと似てる」って言ってて。

五味:俺も毎日店でCD売ってる以上、その空気は毎日感じてるよ。別にCDじゃなくても良いんだと思う。だけど最後にやっときたいなって、一発。

 

———— その大きな流れに対して、自分のやり方で聞き方とか聞かせ方をコントロールできるだけのクレバーさが俺にはないから。でも、五味さんはその辺の確信があってやってるのか、それとももっと感情的なリリースなのか、どっちなんだろうって。

五味:ないよみんな、そんなの!(笑) 確信なんてないし、どっちかっていうと自分の思いとか勢いが先に行ってる感じはもちろんあるで。ブログ見て、いやいやこんなの無理やろ、何やってんのこいつって思ってる人もいると思うけど、でも、それができなくなるならもうやめた方がいいと思うし、ほんまに賢かったら、バンドで金稼ごうとか自分の生活に、なんて思うこと自体がそんなクレバーじゃないと思う。

 

———— プロセスを大事にさせたいっていうのは現場にいるからこそですよね。その気持ち忘れてる人は多いと思います。

五味:俺も忘れた。だから自分が思い出したいっていうのもある。店で売ってて思い出させられたっていうのもあるし、時代がどうっていうのではない。

 

———— 逆に若い世代が初めてそれを経験する可能性もありますよね。

五味:そうしてもらえたら残ると思う。だからってこういうやり方が正しくて、お前らがそれをやれってわけでもないし。

 

———— 音楽を大事にしてて、スタジオもいっぱい入ってるし、そして3年ぶりのアルバムで、そういうバンドがこの選択を取るっていうのはガッツあると思ったんです。

五味:色々考えたんやけど、ライブハウス限定って結構みんなやってるやん。実入りのパーセンテージがいいのか、ツアーに合わせて無理くり作ったのか、経緯はどうであれ、そういうのって大体シングルで紙ジャケの薄いやつが多いやん。自分もそういうの見てて、そういうスタイルで出すと、やっぱりそれくらいになっちゃうっていうか。だから、ほんまに自分のやろうとしてることやるんだったら、フルアルバムでやらないと意味なくて。CDRじゃダメだし、ジャケットも自分のやりたかったイメージをしっかりカメラマンにも伝えて、モデルさんにも来てもらって撮影して。ほんまに気合い入れて作ったもんを、その売り方でやらんと届かないと思うからって。重みが違うというか。

 

 

———— あのジャケットも攻めてますよ。

五味:あれもほんまに俺の夢というか(笑)。もう、おっぱいジャケが大好きで。レコードも見つけたら買っては集めてて(笑)。どうせ流通も乗らんから制限もないし、やりたいことだけしかやってない。

 

———— アルバムのタイトルも「In Dreams」ですもんね。

五味:そう。俺がずっと見てた夢を一個の作品にするっていう。

 

———— そういうプロセスの部分以外には、どんな夢があるんですか?

五味:例えば武道館でやりたいとかではなくて、アルバムリリースしたら自分の思ってるくらいの枚数売って、それを生活の糧にしてバンドをやることが自分にとって全てプラスに回っていく。ポジティブな音楽活動っていうのか。自分の店でも、メンバーそれぞれの仕事でもプラスに作用していくようなものを生み出せる環境が作れたらいいなって。ボヤっとしてるけど、それを夢って言葉で呼んでるかもしれないな。

 

———— dreamsは複数形なんですね。

五味:まぁ変わっていくやろうし。俺だけじゃないけど、メンバーにしてもそれぞれ思ってるだろうし。自分にとってはそういう気持ちで作った。売り方とかのプロセス込みで、買ってくれた人が得るものもポジティブなものにしたいし。音楽って、やっぱりプラスな要素じゃないとだめやん。悲しい気持ちの時に聴く曲とかももちろんあるけど、そういうものを生み出すエネルギーを夢って呼んでるのかもしれない。

バンドだけじゃないけど、音楽を売って飯が食えないって考えたくないんよね。世の中にはいろんな仕事があるけど、みんな何かを売って対価を得て暮らしてる。肉体労働の人は自分の体力を、デスクワークの人はスキルを、農業は作った野菜を売ってて。それで俺らは音楽をしてる。俺らがそうならないってのがおかしいし、こんだけライブハウスある、レコード屋ある、テレビ、ラジオで音楽が流れてる。そこにあるものを作ってる人がそれで飯食えないって、絶対おかしいって思ってて。大きいレコード屋で売れてるバンドがいて、その周りのスタッフもいっぱいいて、そいつらは飯食えてるのに、俺らみたいな規模でやってて、頑張ってお金にどうやって変えるかって考えてるやつらが食えないはずないねん、絶対。

この間たまたまTwitterで見つけたんだけど「仕事をしながらバンドできるか」みたいなトークイベントがあったらしくて。仕事しながらバンドやってる人が集まって、学生とか就職した人に向けたイベントみたいだったんだけど、よくよく考えたら、音楽しかやってない人は音楽を仕事にしてるやん。全ての人が仕事をしながらバンドをやっている。だから「できる」としか言いようがないし、できるんやったらみんな頑張ろうぜっていう気持ちでずっといる。

 

 

———— 今回のアルバムはインディーズのやり方だけど、ギャラもしっかり払って、しっかり通すとこは通してるなって思うんです。

五味:熱意と気持ちでやってもらうのも全然アリやし、それがモノに結実するのは美しいし、自分も大好きやし。だけど、関わる友達にも仕事としてやって欲しいし、その人に続けて欲しいし、友達だからこそ払う。これは毎回ちゃんとやってるかも。自分もそれでお金もらってるっていうのもあるかもしれん。そんな高いお金じゃないし、出世払いなのかもしれん、もしかしたら。

ライブもノーギャラでももちろんやんねんけど、それが何故なのかとかはすごい考える。バンドの人って音楽が好きで、気持ちを大事にするし、それで成り立ってる部分は多いし。それがよくないとは言わないけど、それの良くないところもあるのも事実だし。

でもGEZANとか見てたらいいなぁって思うけど。シャークが抜ける時の大阪のライブとかも、友達が来すぎて入れない、チケットももちろん買ってないけど、なんでか来てもうて、入れないから近くのコンビニに飲みながらおる、みたいな(笑)。ああいうのもいいなって思いながら見てんねんけど。でもほんまに友達で、俺のバンド応援してくれてるんやったら、チケット買って来いっていうのもいいと思ってて。

 

———— この前のKONCOSの企画は地方から呼んでるバンドにちゃんと払いたいからゲスト一切なしってやってましたね。

五味:バンドやってたら、友達ってどんどん増えていくやん。それで、みんな好きで来てくれるから入れたいねんけど、ほんまは。何があり何がなしって俺が決めることではないんだけど、そういうのも状況によってはビシッとしたい。それをお客さんに対してちゃんと伝えたいかな。さっきもキネマ倶楽部に行ってたんだけど、実際ライブになると一番見やすい2階席が関係者席になるとかってのも、俺は好きじゃないなって。自分が作ったものに対してお金を払ってライブに来た人、CD買った人って一番やと思うんやけどな。そこに全力で返していきたいモードに今なっている。

 

———— バンド、レーベル、店ってお金の真ん中にいるからこそ見えることがあるんですよね。

五味:結構金のことばっかり考えてるかもな(笑)。まぁこだわるけれども、この出し方で売れなくても、別にそんないいかなくらい。こんだけ売らないといけなっていうのはないし、自分にフィットするやり方を見つけたい。これから探す基準になるっていうか。

 

———— 批判的にも聞こえるかもですけど、今回は音楽の力を信じるっていう気持ちはなかったんですか。

五味:内容で勝負するってこと? 今までもずっとやってきたやん!

 

———— MV作って、その一曲でバァーッと広がって、そこからアルバムにも広がってって流れにいつまでも憧れがあるんですよ。純粋に、音楽の力というか。

五味:それはもちろんあるよ。でも例えば、アルバムで全10曲ある中から、この曲をMVにするとか、この曲はみんな好きだろうとか、そういう「選ぶ」ようなこともあんまやりたくない。全部聞いて欲しいし、もちろん全部いいと思ってやってるから。 

自分が音楽に対してどう思ってるかって、周りの人にもある程度は分かってもらえるところまで来てるんかなって。今の時点でアルバムは誰も聞いてないから、そこが見えへんようになるのはこのやり方のデメリットだと思う。それなら、アルバム出した後にPV作ればいいと思う。聞いた人から言われて、皆この曲好きなんやってなって気づくこともあるし、じゃあその曲で映像作品を作ろうと買って。ブログにも書いたけど、プロモーションとしてPVは作らないってことだけで。

 

———— 単純な話ですけど、リリースした後のMVとかって反応悪い気もします。

五味:まぁそうなるんかな。だからそれにビビって、スタジオの練習動画とかちょっとずつあげてるやんけ(笑)。

 

————(笑)。

五味:全く分からんのは流石にやばいな、って自分も思ってるよ(笑)。

 

———— 五味さんのこだわりだと思うんですけど、GEZANのスプリットに入れてた『My Favorite Blue』とか入れないじゃないですか。

五味:それ、みんなにもめっちゃ言われんねん。今までで一番言われたよ。思い入れはもちろんあるし、だからこそ入れなくて。俺も気に入ってるから今でもライブでやってるけど、今までもスプリットの曲入れてなかったのに『My Favorite Blue』は急に入れたらおかしいやん。でもいつか、今までスプリットに入れた曲だけを再録してまとめるのもアリかなって。今まででいうと、CRYPT CITY8ottouri gagarnRopesとも兄弟で出しているし、長谷川健一、GEZAN。また一個やろうって話もあるし、あと少し溜まったらやりたいなとは思ってるな。

 

 


GEZANとの7inchスプリットでリリースした『My Favorite Blue』。
LOSTAGE presents [ 生活 2016 ]でのライブ映像。

 

———— それ嬉しいですよね、お客さんは。

五味:お客さんに入れてくださいって言ってもらってるのがすごい大事なことで。その気持ちをいつか形にしたいなっていうのはある。

 

———— サンプル渡されてないので聴けてないから、音のこととかは聞きにくいんですけど、今回も録音はKCくん(岩谷啓士郎)なんですよね。

五味:普段のライブのPAをやってもらってるから、俺らがどんな雰囲気にしたいとか、どこを聞かせたいとか、誰よりも知ってる。最近関係性が近くなりすぎて、もう言わなくてもわかるっしょみたいになって来てるから、そこはちゃんとしなきゃって思うけど。やり心地はピカイチやね。

 

———— その前にTwitterにエンジニアが誰で、とか曲名が決まらないとか書いてましたよね(笑)。

五味:ビビってるわけよ、こっちは(笑)。出さな忘れられるって。サンプル配ってラジオ流すとかプロモーションが一切ないから、要はイントロですよ(笑)。SNSのせいにしたらあかんけど、俺も結構ツイッターのおかげで、知名度が上がったっていうか、日本のインディーズのバンドの中でも、そういう立ち位置の人やねん。実際それなかったら、今の俺、結構小さい規模でやってるかもしれんし、依存してる部分はある(笑)。あのブログも、今までやって来た「広げる」って気持ちを無駄にしたくないから、ブログに書いて、こいつ思い切ったなってところを見せて、それをトピックにしようかなって思ってて。アルバム出す時って、何かしらのトピックがいるからさ。で、メジャーとかのやつらはさ、炎上で話題作ったりするやん。

 

 

———— その後、酔っ払って「いいね乞食か」みたいなこと書いてたじゃないですか(笑)。

五味:やっぱりいいねの数がきになるな(笑)。やっぱり、どうせならかき回したいっていうのがあるし。

 

———— あの夜のツイートとか、次の日の朝見てどう思うんですか?

五味:こんなこと言ったっけな?って(笑)。消したらダサいし、嘘は書いてないから。SNSやりすぎるのはな~、みたいなのはあるで、俺も。

 

———— プロモーションにもなってますもんね、

五味:あれですよ、麻薬と一緒で依存してもうてるから(笑)。例えばヒロトとマーシーなんて普段何しているか全くわからないやん。でもアルバムが出たら、あ、出たんや!ってなるやん。そういうのもちろんかっこいいなって思うけど、俺ヒロトじゃないし、やらなきゃみんな俺のこと忘れてくんやろなって。わかってんねんで、俺もそんなん。ついついね(笑)。

 

———— このインタビューは前編後編にしようと思ってて、後編はアルバム出した後にやりたいと思ってるんですよね。このやり方がどんな結果を生み出すのか若手バンドマンの指標になりうるリリースだと思ってるんで。なので、また次もよろしくお願いします!

五味:後編の時はこんなやり方で出さなきゃ良かったってなってないように頑張ります~。

 

INFORMATION

 

LOSTAGE [ In Dreams ] (CD作品/2600円税込)

収録曲 (曲順未定)

さよならおもいでよ

ガス

ポケットの中で

REM

泡沫の

戦争

I told.

僕のものになれ

Shoeshine Man

2017/06/09ライブハウス奈良NEVERLANDにて開催のLOSTAGE presents [SHOWNEN]会場にて販売開始予定。その後、LOSTAGEライブ会場、THROAT RECORDS店頭(6/9以降)、THROAT RECORDSオンラインショップ(6月半ば頃)にて販売予定。

 

 

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