Larry Clark

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写真集『TULSA』や映画『KIDS』、『BULLY』など、ユースの赤裸々な姿をカメラに収め、これまで数多くの作品を発表してきたラリー・クラーク。彼の展覧会「TOKYO 100」が神宮前GALLERY TARGETが開催された。

ニューヨーク、ロンドン、ロサンゼルスと巡回し、ここ東京が最後の開催地。「ハッピーに死ぬためのお返し」そんな粋なテーマもあるこの展示では、これまで撮影してきた写真が1枚1万5000円で買えるのだ。今回の展示のキュレーターを務めるのは、『KIDS』にも出演していたレオ・フィッツパトリック。(『KIDS』ではいい悪ガキ“テリー”を演じた彼は、これが映画初出演作。)
ギャラリーに入ると、真っ白な部屋の中央に木箱が置かれているだけ。中には写真が山のように積まれ、自由に手に取り、選び、好みの写真を購入することができる。中には『KIDS』の1シーンやsupremeのヌードフォトシリーズのオフショットなど、ファンならばアガるような1枚も紛れており、訪れた人たちは必死に写真の山をディグっていた。

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”いいTシャツ着てるな。ペティボンだろ”

小雨の中、原宿を歩く。
「ラリー・クラークはどんな人なんだろ」「やっぱギンギンなのかなー」「でももういい歳じゃん?」マヒトくんとサトコちゃんとそんなことを話していた。
『TULSA』の表紙の銃を構えた男、問答無用にかっこよかった。映画『KIDS』はストリートで出会ったリアルなキッズやスケーターを集めてカメラを回したって?今日はそのラリー・クラークにインタビューをしに行くのだ。
予定の時間よりも30分は遅れて会場に現れたラリー・クラーク。Tシャツにハットを被った彼は、年齢なんて関係なしにとてもクールだった。
「いいTシャツ着てるな。ペティボンだろ」
「おれもペティボンは大好きなんだよ。そのTシャツ、どこで買えるんだ?」

挨拶するよりも先に、僕が着ていたOFF!のシャツを見て、ラリー・クラークの放った一言はそんなことだった。緊張していて少し身構えていたぼくは、それを言われて少し楽になった気がした。

”最高なTシャツ着てるじゃん”
”あのバンドやばいんだよな”
”あの映画見た?絶対見たほうがいい”

普段友達と話している時と変わらない、あの感覚。ラリー・クラークのコトバも、いつものそれと全く同じ感覚だった。それは、僕たち“キッズ”が持つコトバなのだ。
26歳の僕と、73歳のラリー・クラーク。生きてきた時代も、見てきた世界もまるっきり違うけど、少しだけ距離が近くなった気がした。いや、きっと近くなったんだ。
一言だけでも話が聞けたら、と訪れた僕らPYOUTHを、「こっちへ来いよ」とバックルームへ連れて行ってくれたラリー・クラーク。
そして、静かに、丁寧に、時折目をじっと見ながら、話してくれた。

サングラス越しに見えたその目は、今も変わらず輝いて見えた。ラリー・クラークは、今もまだ“KIDS”だったのだ。

 

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