イデイヨシヒコインタビュー

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普段から色々なところでお世話になっている同い年のイデイさんに話を聞きました。お互い話し上手ではないし、自分たちが子供の時にはやっていた「100の質問」のような一問一答でいろいろ掴もうと努力した。 日常では「〜」「♪」に隠れてなかなか見えない彼自身の考えを聞いてみると、すごいスピードで感情を作り出す彼のアティチュードは意外にはっきりしていて個人的なものでした。
interview : ちんちん花火
 
 
ちんちん花火(以下、ち):よろしくお願いします。
 
イデイヨシヒコ(以下、イ):よろしくお願いします。
ち:お名前は。
ち:ご年齢は。
ち:お誕生日は。
 
イ:事前に作っていただいたこの表の通りです。
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ち:わかりました。
ち:イデイさんは色々な活動をやっているイメージがあって、僕が認識してるのは   映像・画像製作とKK mangaのベーシスト 、ソロ(走る凶器・暴走族のバイク、もしもし99)なんですが。主にやってる活動について教えて欲しいです。
 
イ:続けてやっているのは、今挙げられた分で全てで、優先度としてはバンド、画像など、ソロでの音楽の順です。ソロでの音楽は趣味の延長としてなので、展望などは、今の所はありません。ソロでのライブもやりましたが、ライブよりも家で出来ることの方が楽しいので、おそらく今後はほとんどやりません。最近は画像とかの優先度が少し上がっています。一瞬漫画を描いてた時期とか、写真にはまってた時期もありますけど、それらは続けるまでには至ってないです
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Photography by イデイヨシヒコ
 
ち:画像の優先度をあげているというのは、時間をかけるようになったということと、画像が絡むイベントが増えたという
イ:大体それです。みなさん、いろいろ誘って頂いてありがとうございます。
 
ち:hmm..活動を続けて行っている中で。言われて嬉しい言葉ってありますか?
イ:今まででは、自分の絵を見て「触り心地が良さそう」と言われたときが、一番嬉しかったです。
fgfdfgd-1 Unquiet Heart (2016)

(触り心地を、想像してみてください。)

 
ち:飽き性で有名なイデイさんのはまってきた物の略歴を教えてください。
イ:すぐ飽きちゃうので本当に多いんですけど、看板とか、家具とかは一生はまっています。昔は価格.comの家電ランキングを片っ端から見たりとか、全然興味なかったものに積極的に触れていくのは、自分の知らないものに一生を捧げている人がいたりして、なんだかパラレルワールドに迷い込んだようで楽しいです。今はルナシーで、ROISERの英語をいっぱい言うところ、かっこいい。あとはフィンランドのハードコア。前からやっている龍の画像収拾は、割と続いています。ちょっと前に、健康に気を使おうと思って、ノーベル賞を二回取った人が作ったビタミンのサプリメントとかを輸入して飲むのにはまっていたんですけど、最近やめました。 音楽自体はネットで友達になった「アナルダンサー」って人がいて、当時ほぼ毎日やりとりしていたんですけど、彼とやり取りしていくうちに段々はまっていって、最初はブルーハーツとか、レディオヘッドとか、ブロック・パーティーとかだったんですけど、そのうちダムドとかテレヴィジョンとかになっていって、スーサイドとかアーサー・ラッセルとかに行って、そのやり取りが大きいです。あとは、今の父親が音楽好きだったので、再婚後にCDがいっぱい家にあって、それの左上から右下までをとりあえず聴くとかもやっていました。渋谷系とか、60年代の再評価とかの世代だったので、そういう影響が強いです。中1のときにニルヴァーナを聞いていたら、これもいいよって、4枚CDを貸してくれて、ビートルズのホワイトアルバムと、タイマーズと、暴力温泉芸者と、村八分で。ホワイトアルバムのバック・イン・ザ・USSRでノリノリになっている中でのレボリューション9が本当に薄気味悪くて、その経験は大きいと思います。
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展示について

 
ち:今回の展示は何点くらいの内容になりそうでしょうか。またどのようなメディアで発表されるのでしょうか。
イ:予定では、OHPフィルムを用いたものがメインになりそうです。点数は当日までに完成した分で持っていくので、わかりません。フィジカルのものを作った経験がほとんどないので、おっかなびっくりという感じです。予算の許す限りで、色々やってみようと思います。
 
ち:フィジカルな作品として思いつくのが、あの赤ちゃん(「インターネットヤミ市 東京 2016」での 覗くと赤ちゃんの画像が見られる箱。)なのですが、あれはなんですか?
イ:かわいいかなと思ったので。
「文化庁」って書いてあるプラカードを首から提げたおばさんの二人組が、赤ちゃんを見たあと、「目が痛い、目が痛い」と怒っていて、2円を置いていったとき、ひどいなと思いました。
投げ銭だったんですけど、6時間で8000円も溜まっていて、日払いのバイトよりいいじゃんと思いました。みなさんありがとうございます。他のブースは、みんなちゃんとしてて、指くわえて見てました。
              yamiiiii

悪魔の赤ちゃん (2016)

 
ち:作品からはインターネットの匂いがすると言われていました。それをフィジカルなものとして展示におとすところに何か意識はありますか?
イ:よくインターネット的だと言ってもらえますし、インターネット的なものはもちろん好きではありますが、50年代から80年代の広告や、古い街の看板、古い本のデザインなどの方が好きで、インターネット的なものにはそれほど興味はありません。tumblrが流行っていた時期に集めていたのも、ほとんどがそういう画像ばかりです。自分としては、関西のバンドのアートワークという意識であるので、こういうふうに言われているとき、あまりにも興味が薄くて、申し訳ないです。
 
 
ち:会場を提供するOISOGASHIとはどんな流れで展示する流れにつながっていきましたか?
イ:大阪にOISOGASHIのハットリさんのやっているハードコアバンド、Color Me Blood Redに来てもらったとき、スケボーがめちゃくちゃ上手い小学生二人組がアメ村の三角公園でヒーローになっていて、お酒も奢ってもらっていたので、テンションが上がって、その横で「今度展示やってよ」って言われたので、やりますと言っちゃいました。
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ふたりのスケーター少年が...

 
 
 
ち:今回の展示で特別イメージしているコンセプトなどはありますか?
イ:元気とか。
ち:作品を展示してみたい特定の場所はありますか?
イ:特にないです。
 
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 (Google Earthを見せても黙り込むばかり、本当に何もないようだ。)
 
 
 
 
 
 
ち:作品をどこで買うことができますか?
イ:先日、販売する用のサイトを作りました。 今までの絵の副産物であるパーツを透過pngの詰め合わせをzip形式で100円で購入出来るようになっています。ダウンロード後は、ご自由に使って頂いて構いません。 本などは、売った人を出来るだけ知っておきたいいので、基本的には手売りです。東京などは、ありがたいことにライブなどでよく誘っていただくのですが、北海道はさすがに遠いので、以前からOISOGASHI MYHOMETOWNに少し置いてもらってます。

おじさん100 https://ojisan100.thebase.in

・今までの主な作品集・

 
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サービス/エリア(2016)
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ち:これ見る限り今年はzineを沢山作っていますね。何か理由があって?
イ:もともと本や紙というのが好きで、小さな頃から描いた落書きや写真をホッチキスで止めたりはしていました。zineカルチャー的なものというよりは、それの延長という認識です。成人してからは作ることもなかったのですが、2015年に、マヒトくんにzineのイベントに誘ってもらったので、せっかくなのでというので、また作り始めました。

作品性について

ち:最近、クールな形をしていると思うものを教えてください。
イ:ローソンのコーヒーの毛が生えてるみたいな紙コップ、かっこいいと思います。コーヒーの暖かさとあいまって、小動物を抱いているみたいで。
 
ち:そういえば、イデイさんの作品動物っぽいの多いですよね。でもそれにしてはあまりにも素っ気ないというか。彼らが生物か無生物かは気になると思うんです。
イ:見て、生き物っぽいなと思ったものの部分は、だいたい生き物として作ってると思います。伝えやすいように言うと、ゆるキャラを別の観点から作っているような感じです。感情などはとくに都度設定してはいませんが、自分の中では「他人の感じ」というか、今後接しないけど、目の前にいるみたいな。人類に危害を加えようとなんてしてなくて、ただ偶然現れて、時間が経てば二度と会うこともないまま、消えていくイメージです。UFOが来たけど、別に何もなかったみたいな、そういうのが好きなので。
ち:パソコンに触りはじめたのはいつでしょうか。
イ:田舎だったのでお金持ち以外はパソコンを持っていなくて、中1のときに、ボランティアパソコン部という部活に入って、基本的には紙を一枚渡されて、それをタイピングする部活なんですけど、すぐ慣れて3分で終わらせて、あとはインターネットをずっとしていました。ボランティアの部分は季節ごとに駅に花を植えにいくとかなんですけど、半年で行かなくなったのでわからないです。
 
ち:色やモチーフの組み合わせ方について何かルールやポリシーと言えるようなものはありますか。
イ:あんまりないですけど、元気な感じの色を使うことと、フニャフニャしたものがマイブームです。
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元気が秘訣!

ち:着想とかは?
イ:Photoshopを開いて、四角形を作って、それにグラデーションを付けて、それを変形させたりしているうちに、偶然好きな形になったりして、それに着想を得て他のパーツが出来たりみたいなのが多いです。外からの着想というよりは、偶然出来たものからの着想がほとんどで、コンピューターだと手描きするよりも偶然を作りやすいので、楽しいです。あとは、BGMに気持ちを左右されることが多くて、ボサノバの名盤とか、おじさんが作ったようなYoutubeの歌謡曲のプレイリストを聴いていることが多いです。
ち:「おじさん」かなり好きですよね。
好きなグラフィックアーティスト・画家を挙げて欲しいです。
谷岡ヤスジです。藤井フミヤのフミヤートとかも結構いいと思います。藤井フミヤは凄い、吉川ひなのの『ハート型の涙』も凄くいい曲だし。
 
 吉川ひなの『ハート型の涙』 (1998)
あとはフィンコアのアートワークに最近はまっています。
 
 Poliisivaltio - Siniristilippumme
 
 
ち:製作時間ってどのくらいかかるんでしょう。
イ:1日に3時間ぐらいしか集中力が持たないので、大体そのぐらいです。調子のいい日はもうちょっとやります。
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ち:1日3時間以上やったらどうなりますか?
イ:パソコンに向き合っている間は、常にタバコを吸っているので、喉が痛くなります。喉が痛いとやる気がしなくなって眠くなるので、寝たりします。
 
ち:イデイさんのYoutubeのアカウントがあって、あれ見るのがすごい好きで映画館なんかで見たいなーと思っているんですが..URLなくしちゃったんですけど。
(イデイさんが激怒しながらリンクを送ってくれる) 
 
Attitude (2014)
 
ち:この動画の音はなんでしょう。
イ:元はKKのスタジオの練習の音源だと思います、音がないと寂しいかなと思ったので、優しさで。
 
ち:モチーフの選び方について知りたいです。さっきのチャンネルの動画でも、ロボットとか、海外のビデオとか、なんとなく重ねられてるようでも素材が引き継いでいるストーリーって絶対連想しちゃうというか。全然違うところから持ってきてるからストーリーの重なり方がめちゃくちゃで軽く酔う感じがあります。
イ:ストーリーとかは気にしないで欲しいです。伝える気がほとんどなくて、これの後にこれが出てきたら嬉しいなってぐらいで繋いでいて、この2つが合わさるということで意味があるっていうわけでもなくて。ましてや、ギャップというわけでもないですし。自分の中でだけ面白いということだけで、出来るだけ共感をされないようにしているので。
ち:そういった連想が数分続いてる感じなんでしょうか?
イ:そうです。身内ノリの一人バージョンです。
 
 
ち:けっこう映画を見ているイメージがあるのですが
イ:別にそんなに数は見てないです。2年ぐらいはまっていたぐらいで。
ち:そういった価値観でどういう映画を見るのかなっていうのが気になります。映像のサンプリングとか見ても人間が出ていてドラマがありそうなものが多くて。それって、どういう気持ちで見るのかなって。
イ:オーバーなぐらいに感情的な人に憧れがあって、チャップリンの『街の灯』 とか、ヴィットリオ・デ・シーカの『自転車泥棒』とか、フェリーニの『道』とか、昔の定番の映画のすごく感情的すぎる部分を見ると本当に羨ましくて、泣けてきます。『ニューシネマ・パラダイス』の建物に映画を映すところとかで、号泣出来ますし。10代の5年間ぐらいは人と触れ合ってなかったので、怒っても黙り込むとか、小学生レベルでの伝え方ぐらいでしか出来ないままになっちゃって、ちゃんと伝わるように感情を表現出来る人が羨ましい。
ち:5年間人と触れ合う事がなかったっていうのはどういう事情があるんでしょうか。12,13歳くらいから人付き合いがあまりなかったってことですよね。
イ:夏休みを伸ばしたいと思ってたら不登校になってて、友達も多い方だったとは思うのですが、みんなと何話していいかわかんなくなっちゃって、そのままドロップアウトして。引きこもっていい加減なことばっかり書いてるブログをやっていたら、17ぐらいのときにKK mangaの結成時に誘われて。
ち:ブログって何やってたんですか?
イ:思いついたダジャレとかを毎日ひたすらせっせと書いていました。あとは、女子中学生とかがクラスメイトの悪口を書く掲示板が面白いって時期があって、それをコピペしてまとめていたんですけど、それをなぜか勘違いした女子中学生が、僕のブログのコメント欄を悪口を書く掲示板として利用し始めて、ブログのコメント欄が悪口ばかりで荒れ果てて、最終的にアカウントを停止させられました。ひどすぎませんか?
 
ち:そのタイミングで 既に絵を作り始めていた?
イ:暇つぶしに落書きと適当な漫画は描いてはいましたが、落書き程度のものなので。今もですが。漫画は漫画が好きすぎて、すぐに無理だなと思って、あの時期は描いてはすぐに燃やしたりとか、データも紛失したので、あんまり覚えていないんですけど。 犬にフリスビーを取ってこさせている間に話をしているシーンがあるのは、なんとなく覚えてます。あとはPUFFYの楽屋のやつ。ブログに載せた奴で、ハマジ(KK mangaのヴォーカル)がなぜか未だにセリフを覚えてて、たまに言うので恥ずかしいです。Photoshop使い始めるまでは、だいたいボールペンとかで描いてたと思います。
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ち:KK結成後、いままで何か転機と呼べるものはありましたか?
 イ:それはもちろん、いろいろあります。最初のドムスタじゃなくて、大阪のファンダンゴでやった「セミファイナルジャンキー」とか。今見たらゲラゲラ笑えそうです。思い出話みたいになっちゃうので、あんまり語る気もないですけど。バンドを始めるまでに思い出がなさすぎたので、嬉しかったことが全て転機みたいになっています。
ち:自分の子供が不登校になったらどうする?
イ:尾木ママとかに聞いたほうがいいと思うんですけど・・・。僕は、会うことのない友達を作ればいいと思います。インターネットなんて喋りすぎなければ嘘をつき放題ですから、理想の自分を作り上げて、それを振る舞って、矛盾が生じれば嘘つきにならないように、それに少しづつ寄せていけばいいと思います。
 
ち:KK mangaでベースを弾く時と、一人に帰って作品を作るときはどんな気持ちの違いがありますか?
イ:あんまり違いはないです。
 
ち:好きな食べ物はなんですか?
 
イ:パンです。
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:今幸せ?
イ: 交友関係には恵まれていると思います。
・香水つけてる?
 
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Four perfume bottles under flowing water
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つけてません。
ち:異性との間接キス平気な人?(飲み物とか)
イ:ちょっと嫌です、同性でも。
 
ち:最後に、イデイさんの今後の展望を教えてください。
イ:特にないです。11/17からの個展「King Lear 100」よろしくお願いします。 あとは、KK mangaのライブ会場にて、新しいライブ音源が売っているので、よければ買ってください。 いろんな形で頑張ってますので、是非みなさん聞いてください。お楽しみに!
 

infomation

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KK manga Live at Basement Bar 11/08/2016

 

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イデイヨシヒコ 個展 「King Lear 100」 11/17(木)-11/26(土) ※19(土) close 平日 15:00-20:00 土日 13:00-20:00

OISOGASHI MYHOMETOWN

イデイヨシヒコ

1992年生 京丹後市出身

現在、大阪府在住

2010年より「KK manga」、2015年よりソロユニット「走る凶器 暴走族のバイク」として活動。

翌年2016年ソロユニットを「もしもし99」に改名。

おじさん100 http://sssfi.tumblr.com